
僕らのらんど
第7章 真実
「すご…」
「すごい!! なんでっか、今のは!?」
オレたちよりも先に強面男が食いついてくる。
「車どこに消えましたん!? 手品!? 魔法!? それともあんた神様でっか!?」
強面男に言い寄られて、やんすさんはタジタジになる。
「えと…あの…まあ…いちお魔法使いといいますか……」
「魔法使い!? ほなあれか、火とか出せるんでっか?」
「い、いえ、火は出せません…」
「なんや、他に何ができるんや!?」
「ひ、ひぃぃぃぃぃ……」
助け船を出そうとした時、
「なにやってるんですか、昭玄さん」
エプロンをつけた若い男が、呆れた顔をしながら喫茶店から出てきた。
「うちの客に構わないでくれますか?」
「なんや、クロはんとこの客やったんか」
強面男は若い男を『クロ』と呼ぶ。
若い男は強面男を『昭玄』と呼んだ。
「あの…」
「お待ちしてました、馬飼高校の皆さん。中で彼がお待ちです、どうぞ」
「!」
どうやら話は通ってるみたいだ。
オレたちは昭玄さんに頭を下げると、喫茶トムの中に足を踏み入れた。
「あら、いい香り」
つくし先生が呟く。
店内は普通に明るくて、香ばしいコーヒーの香りがした。
「おう、お疲れさんやな」
窓際の席に座っていた赤髪の男がこっちに振り返る。
「無事に切り抜けられたみたいやな。まあ、とりあえず茶でも飲んでゆっくりしいや」
「……」
オレは赤髪の男を睨みつけた。
「皆さん、こちらへどうぞ」
クロさんが奥の席に案内してくれる。
どうやら客はオレたちと赤髪の男しかいないようだった。
「私…御手洗いに行ってきます」
今までずっと無言だったゆず先輩が口を開く。
ゆず先輩は暗い顔をしたまま、オレの前を通りすぎた。
「すごい!! なんでっか、今のは!?」
オレたちよりも先に強面男が食いついてくる。
「車どこに消えましたん!? 手品!? 魔法!? それともあんた神様でっか!?」
強面男に言い寄られて、やんすさんはタジタジになる。
「えと…あの…まあ…いちお魔法使いといいますか……」
「魔法使い!? ほなあれか、火とか出せるんでっか?」
「い、いえ、火は出せません…」
「なんや、他に何ができるんや!?」
「ひ、ひぃぃぃぃぃ……」
助け船を出そうとした時、
「なにやってるんですか、昭玄さん」
エプロンをつけた若い男が、呆れた顔をしながら喫茶店から出てきた。
「うちの客に構わないでくれますか?」
「なんや、クロはんとこの客やったんか」
強面男は若い男を『クロ』と呼ぶ。
若い男は強面男を『昭玄』と呼んだ。
「あの…」
「お待ちしてました、馬飼高校の皆さん。中で彼がお待ちです、どうぞ」
「!」
どうやら話は通ってるみたいだ。
オレたちは昭玄さんに頭を下げると、喫茶トムの中に足を踏み入れた。
「あら、いい香り」
つくし先生が呟く。
店内は普通に明るくて、香ばしいコーヒーの香りがした。
「おう、お疲れさんやな」
窓際の席に座っていた赤髪の男がこっちに振り返る。
「無事に切り抜けられたみたいやな。まあ、とりあえず茶でも飲んでゆっくりしいや」
「……」
オレは赤髪の男を睨みつけた。
「皆さん、こちらへどうぞ」
クロさんが奥の席に案内してくれる。
どうやら客はオレたちと赤髪の男しかいないようだった。
「私…御手洗いに行ってきます」
今までずっと無言だったゆず先輩が口を開く。
ゆず先輩は暗い顔をしたまま、オレの前を通りすぎた。
