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僕らのらんど

第7章 真実

「さて、じゃあとりあえず注文しましょうか」

つくし先生がメニューを開く。
するとまり先生が勧めていた、甘味うどん系のメニューが目に入った。

「…私はブラックね」

「え~! つくし先生、食べないんですか?」

つくし先生はニッコリ笑うと、白衣のポケットからタバコを取り出した。

「私、あっちに座るわね」

そう言って赤髪男のいる席まで移動する。

「なんであんな奴のとこに…」

つくし先生が赤髪男に近づくと、赤髪男はニヤリと笑って、つくし先生のくわえるタバコにライターを近づけた。その二人のやりとりはなぜだか自然に見える。

「注文は?」

クロさんに横から言われてハッとしたオレは、適当にメニューを指差した。

「夏野菜のスライム炒めですね」

「はい、スライム……えっ?」

オレはもう一度メニューをガン見する。
確かにそこには『夏野菜のスライム炒め』と書いてあった。

「スライムってまさか…」

嫌な予感がする。

「ひなたしゃん、スライム炒めを頼むなんてチャレンジャーですねっ!」

「うんうん。スライムってあのスライムよね? もしかしたらモンスター捕獲してくるのかな? あの人…」

そうやんすさんとまり先生が話してると、本当にクロさんが網を持って店を出ていくのが見えた。

「ちょっ…」

席を立とうとすると、手洗いから帰って来たゆず先輩とぶつかりそうになる。

「あ、ごめ…」

「…風早…」

パチッとゆず先輩と目が合った。

「…大丈夫ですか?」

顔色の悪いゆず先輩を気遣うと、ゆず先輩はオレから目をそらさずにコクリと頷いた。
それを見て、少しホッとする。

「ほら、東堂さんも座ってゆっくりして? 今ね、スタッフさんがスライム狩りにいってるから」

まり先生もゆず先輩に声をかける。

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