
僕らのらんど
第7章 真実
「大丈夫ですかね、ゆずしゃん…」
二階の部屋の中に入ると、やんすさんがポツリと呟いた。
「…大丈夫ですよ、まり先生がついてるし」
オレはそう言いながら自分に言い聞かせた。
あいつと同じ空間にいるのはゆず先輩にとって精神的に苦痛なはず。
配慮してくれたクロさんに感謝だな…。
ふと見ると、二階の西の窓からは夕陽が差し込んでいた。
「もうこんな時間か…」
ふう、とオレはベッドに腰かけた。
「はは…、今年も最低な誕生日だったな…」
オレがそう呟くと、
「え? ひなたしゃん、今日誕生日だったんですか? おめでとうございますっ!」
「…めでたいのかな…」
「めでたいですよ! 何歳になったんですか?」
「17」
「うわっ、わっか~」
「……」
「まあ高校生ですもんねっ。じゃあみんなとお祝いしないとですね」
「…そういうのはいいですよ」
「そうですか? まあ、あっしもいつも気がついたら誕生日過ぎてたパターンだから、誰かに祝ってもらったことなんてないんですけどねっ」
「やんすさんはいつですか?」
「11月28日」
「来週じゃないですか」
「はい、今思い出しました」
「じゃあお祝いしないとな」
「いいですって、お祝いはぁ~。あ、でもひとつだけやってみたいことがあって…」
「なんですか?」
「カラオケです。カラオケ行って、歌を唄ってみたいんです」
「カラオケ…」
「ひなたしゃんなら行ったことありますよね?」
「いや、オレは歌はあんまり…」
「そうなんですか? まあ、あっしも歌はど下手ですけどね…」
そう言うとやんすさんは、オレと向かい合わせのベッドに腰かけた。
「前に勤めてた職場の先輩に誘われたんです、契約を一件取れたら行こうって」
「営業してたんですか?」
「全然向いてなかったんですけどねっ」
二階の部屋の中に入ると、やんすさんがポツリと呟いた。
「…大丈夫ですよ、まり先生がついてるし」
オレはそう言いながら自分に言い聞かせた。
あいつと同じ空間にいるのはゆず先輩にとって精神的に苦痛なはず。
配慮してくれたクロさんに感謝だな…。
ふと見ると、二階の西の窓からは夕陽が差し込んでいた。
「もうこんな時間か…」
ふう、とオレはベッドに腰かけた。
「はは…、今年も最低な誕生日だったな…」
オレがそう呟くと、
「え? ひなたしゃん、今日誕生日だったんですか? おめでとうございますっ!」
「…めでたいのかな…」
「めでたいですよ! 何歳になったんですか?」
「17」
「うわっ、わっか~」
「……」
「まあ高校生ですもんねっ。じゃあみんなとお祝いしないとですね」
「…そういうのはいいですよ」
「そうですか? まあ、あっしもいつも気がついたら誕生日過ぎてたパターンだから、誰かに祝ってもらったことなんてないんですけどねっ」
「やんすさんはいつですか?」
「11月28日」
「来週じゃないですか」
「はい、今思い出しました」
「じゃあお祝いしないとな」
「いいですって、お祝いはぁ~。あ、でもひとつだけやってみたいことがあって…」
「なんですか?」
「カラオケです。カラオケ行って、歌を唄ってみたいんです」
「カラオケ…」
「ひなたしゃんなら行ったことありますよね?」
「いや、オレは歌はあんまり…」
「そうなんですか? まあ、あっしも歌はど下手ですけどね…」
そう言うとやんすさんは、オレと向かい合わせのベッドに腰かけた。
「前に勤めてた職場の先輩に誘われたんです、契約を一件取れたら行こうって」
「営業してたんですか?」
「全然向いてなかったんですけどねっ」
