
僕らのらんど
第7章 真実
「…大変だったんですね」
「いやぁ、もう毎日上司に怒鳴られまくってました。周りからも死ね、クズ消えろとか言われて」
「……」
「でもその先輩だけはあっしを見捨てなかったんです。営業のノウハウを教えてくれたり、ご飯奢ってくれたり…本当に面倒見のいい優しい先輩でした」
そこまで話すと、やんすさんはため息をついた。
「でもあっしは、騙されてたんです」
「…え…」
「ある日、先輩と上司が二人でコソコソ話してるのを聞いてしまったんです。あっしが契約を取れるかどうか賭けをしてたみたいで…」
「!」
「だからあっしは逃げました。退職して、なにもかも嫌になって引きこもってニートになって…」
「信頼してた人に裏切られたら、誰でもそうなりますよ…」
「ずっと先輩を責めてました。先輩が憎くて仕方なかった。そのうち人と話すのも怖くなって、世の中をも恨みました」
「……」
「でもひなたしゃんと出会って気づいたんです。ひなたしゃんが『正義のヒーローじゃない』って言った時、あっしはいかに自分が人に頼ってばかりの愚かな人間だったのかと思い知りました」
「……」
「あっしはずっと先輩を盾にして逃げていたんです。先輩の背中に隠れていれば楽だった。戦わなければいけないのは自分自身だったのに…。
ひなたしゃん、みんなのために頑張ってますよね。一番若いのに身体張ってみんなを守ろうとして…あっしは大人なのに自分が情けないです」
「…そんなことは…」
「だからもしかしたら先輩も、あっしを庇って周りから非難を浴びてたかもって思ったんです。あの時どうしてそんなことをしたのか、ちゃんと先輩の話を聞けば良かった。そしたら何かが変わってたかもしれないのに…。ってまあ今となっては遅いんですけどね…」
そう言うと、やんすさんは力なく笑った。
「いやぁ、もう毎日上司に怒鳴られまくってました。周りからも死ね、クズ消えろとか言われて」
「……」
「でもその先輩だけはあっしを見捨てなかったんです。営業のノウハウを教えてくれたり、ご飯奢ってくれたり…本当に面倒見のいい優しい先輩でした」
そこまで話すと、やんすさんはため息をついた。
「でもあっしは、騙されてたんです」
「…え…」
「ある日、先輩と上司が二人でコソコソ話してるのを聞いてしまったんです。あっしが契約を取れるかどうか賭けをしてたみたいで…」
「!」
「だからあっしは逃げました。退職して、なにもかも嫌になって引きこもってニートになって…」
「信頼してた人に裏切られたら、誰でもそうなりますよ…」
「ずっと先輩を責めてました。先輩が憎くて仕方なかった。そのうち人と話すのも怖くなって、世の中をも恨みました」
「……」
「でもひなたしゃんと出会って気づいたんです。ひなたしゃんが『正義のヒーローじゃない』って言った時、あっしはいかに自分が人に頼ってばかりの愚かな人間だったのかと思い知りました」
「……」
「あっしはずっと先輩を盾にして逃げていたんです。先輩の背中に隠れていれば楽だった。戦わなければいけないのは自分自身だったのに…。
ひなたしゃん、みんなのために頑張ってますよね。一番若いのに身体張ってみんなを守ろうとして…あっしは大人なのに自分が情けないです」
「…そんなことは…」
「だからもしかしたら先輩も、あっしを庇って周りから非難を浴びてたかもって思ったんです。あの時どうしてそんなことをしたのか、ちゃんと先輩の話を聞けば良かった。そしたら何かが変わってたかもしれないのに…。ってまあ今となっては遅いんですけどね…」
そう言うと、やんすさんは力なく笑った。
