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僕らのらんど

第7章 真実

ゲーム会社SEED。
初めて聞くその名前に、オレたちはそれぞれ顔を見合わせた。

「ですので、死んでも本当に死ぬわけではないので安心してください。このゲームからログアウトするだけです」

そこまで聞くと驚きつつも、まり先生とゆず先輩は安堵の息を漏らした。

「良かった…。じゃあ死んでいった生徒たちや先生たちとは現実世界で会えるのね」

「デュラハンに殺られてしまった仲間たちも生きているのだな」

「でも信じられないわ、この世界が仮想世界だったなんて……」

まり先生が両手を閉じたり開いたりする。
確かに感覚がはっきりしているからか、リアルなのだと錯覚してしまう。

「でもいくらゲームとはいえ、死なないとログアウトできないなんて…私たちの身体はそんなに長時間もカプセル装置の中に入ってて大丈夫なんでしょうか?」

「それ用のカプセルだからどうにかなることはないと思いますよ。それにこっちの時間と現実世界での時間は異なるので」

「そうなんですね」

まり先生とクロさんが話したあと、オレはある疑問をぶつけてみた。

「じゃあ…モンスターと戦わずにやられれば、すぐにログアウトできるんですよね?」

「……」

その質問にクロさんが一旦口を閉じる。

「…つまりリタイヤですよね。できなくもないですが、自殺行為やわざと負けたりするのは契約違反ですのでやめておいた方がいいですよ」

「契約違反?」

「ええ。このゲームに参加した時に、あなたたちはゲーム会社SEEDと契約を交わしてるはずです。その規約に自ら命を絶った場合は現実世界でペナルティが課せられる、と」

「ペナルティ? 違約金とか?」

「それは僕も詳しくはわかりませんが…」

「契約とかペナルティとか…これはただのゲームじゃないの?」

まり先生の質問に同感だ。
そんなややこしいゲームにどうして自分が参加したのかも気になる。

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