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僕らのらんど

第7章 真実

倒れそうになるやんすさんを支えると、手にはしっかりとレッドトードの肉を握り締めているのが見えた。

「……ひなたしゃん……あっし、やりましたよ……初めて自分で……倒せましたよ……!」

やんすさんは真っ黒な顔でニカッと笑った。

「……はい、かっこよかったですよ」

オレは心からそう思った。

「ひなたくん……今のうちに言っとくね。私もまだログアウトするつもりないから」

回復しながら、まり先生が言う。

「こう見えて、私負けず嫌いなの。わざと負けるなんて絶対嫌。それに回復系は必要でしょ?」

「まり先生……」

「風早、私もだ! 私もまだログアウトはしない! みんなの仇をうつまで帰らないからな!」

なんとゆず先輩までも屋上から叫んできた。

「ったく、みんなどんだけゲーム好きなんだよ…」

オレは苦笑した。
みんなの気持ちを知って、迷っていた気持ちが吹っ切れる。

「じゃあ、とりあえずこいつらぶっ倒そうぜ!」

オレは刀を握りしめて、レッドトードに斬りかかった。

──本当は一番、現実世界に戻りたかったのは自分かもしれない。なんだかこの先に、何かとんでもない恐怖があるような気がして…。

「なかなかいい動きをしますね、ひなたさん。これならあと少しで──」

そうクロさんが言いかけた時、突然空がカッと光った。

「何っ…」

何度も空がフラッシュする。
次第に目がくらみ、立っていられなくなった。

「なんだ、今のはっ…」

《グエッ グエエエッ》

背後から殺気を感じ、とっさに刀を振る。
が、手応えがない。
違う、やつは反対側から──!

「どりゃあああ!!」

すぐ目の前で、昭玄さんの大剣がレッドトードを叩き斬るのが見えた。

「大丈夫でっか、ひなたはん!」

「…っ…」

あの光を見てから、感が鈍った?

「ひなたくん、あれ見て!!」

まり先生が地面を指差す。
外灯が照らす地面に、黒い水溜まりのようなものが徐々に広がっていくのが見えた。

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