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僕らのらんど

第7章 真実

黒い水溜まりがザバアッと盛り上がる。

「!」

その瞬間、全身が総毛立った。
オレたちの前に姿を現したのは、西洋の鎧を全身に纏った得体の知れない騎士だった。

「あ、新たなモンスター…?」

やんすさんの声が震えてるのがわかる。
その者の顔は兜で覆われ、見ることができない。
人間なのか、それ以外の者なのか…。
ただ、味方じゃないことだけはわかる。
オーラから禍々しさを感じる。

「まさかこのタイミングで出てくるなんて…」

冷静だったクロさんの表情が強張る。

「クロさん…あれがなんなのか知ってるんですか?」

「あれはこの世界の死神です」

「!」

「ランダムにプレイヤーの命を狩りにくるんです。北海道にいた時も、パーティーにいた何人かが殺られました」

「死神っ……」

「あれに殺られるのもSEEDとの契約違反になります。だから、ひなたさん…ここは僕が時間を稼ぎますから、皆さんと一緒に逃げてください」

「なっ…」

「なにゆうてるんや、クロはん! あんなレベルがようわからん化け物、クロはんだけに任せられへん! わても戦うで!」

横から昭玄さんが叫ぶ。
その時、死神が腰の鞘から長剣を引き抜いた。

《……我は死を司るもの……》

不気味な声が響く。

《……我の剣を受け、我に命を捧げよ……》

クロさんが死神よりも早く動いた。身を低くして走り、地面を蹴って正面から二本の短剣を首もとに突き刺そうとする。が、すぐさま死神の左腕によって弾き飛ばされてしまった。

「クロさんっ…!!」

クロさんのHPバーが一気に半分減った。
たったあれだけの攻撃でそこまでダメージを与えるなんて、こんなの無理ゲーすぎる。

「クロさん、回復を…!」

まり先生がクロさんに駆け寄ろうとするが、

「駄目です!! 僕のことはいいから、早く逃げてください!!」

クロさんの切羽詰まった表情に圧倒されて、それ以上近寄ることができなかった。

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