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僕らのらんど

第8章 集結

「やんすは一階にいたぴょん! 呼んでくるぴょん!」

ウサギがぴょんぴょん言いながら部屋を出て行く。
よく見れば服を着て、ちゃっかり2本足で歩いていた。

「あのさ…あれ何?」

「兎太郎のうさぴょんよ」

「うさぴょん…」

ハハッとオレは笑いながらベッドに腰かけた。

「…そっか。やんすさんも生きてるんだ」

オレは安堵の息をもらした。

「うん。やんすさんもギリギリ彼らに回復してもらって、今はもう元気よ」

そう言いながら、まり先生はオレの向かいのベッドに座った。よく見れば、まり先生の目の下にクマができている。

「……まり先生、ごめん」

「ん?」

「勝手なことして…」

オレが突っ走ったせいで、やんすさんを巻き添えにしてしまった。

「勝手なことをしたとは思ってないわ。ひなたくんはクロさんを助けたかったんでしょ?」

「まり先生…」

オレは頷いた。

「こんなのおかしいって思ったんだ。レベルが違いすぎる相手と戦って死んだら契約違反だなんて…」

「そうよね。ゲームとはいえ、こんなの一方的すぎるわよね…」

「ああ…」

「でも、誰も死ななくて良かった。死神もね、倒すことは出来なかったけど、他のプレイヤーさんたちが私たちを守ってくれたの」

「そのプレイヤーって、さっきの?」

「うん。うさぴょんもその一人よ。あとは武鬪家の人と魔法使いの人と…」

その時、コンコンと扉を叩く音がした。
部屋の中に入ってきたのは、白衣を着たつくし先生だった。

「目が覚めたのね」

「つくし先生…」

そういえば、つくし先生はあの戦いの場に居なかった。

「ステータスに異常はない?」

「ないですね」

「そう、良かったわ」

そう言うと、つくし先生は安心した表情を見せた。

「起きたばかりで申し訳ないけど、みんなに話さなければいけないことがあるの。二人とも、二階の会議室にきて」

オレとまり先生は顔を見合わせた。

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