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僕らのらんど

第8章 集結

虎生もSEEDの人間だったなんて…!
記憶がないふりをして、最初からオレたちを騙してたのか?

『まずはこの世界についてご説明致します。この世界は現実世界ではありません。私たちが作った仮想世界になります』

その言葉を聞いてプレイヤーたちがザワつく。

「仮想世界!? じゃあヒロキは…ヒロキはっ…!」

隣にいるアカツキが泣きそうな顔をする。
死んだヒロキという人はアカツキやれんじさんにとって大切な仲間だったんだろう。
周りからも安堵の溜息や喜びの声が聞こえてきた。

『覚えてらっしゃいますか? 皆さんはクリアするまでログアウトできないという条件に同意してアプリゲームに参加したということを』

「!」

『アプリが正常に起動しているならば、本来私たちはこの場にはいませんでした。ですが、一部のプレイヤーたちが記憶をなくすというバグが多いため、私たちは調査をするためにプレイヤーとしてダイブしました。
結果、私もダイブした途端、記憶をなくしてしまいました』

「!」

『教師として、この世界で生きてることに疑問を持ちませんでした。突然のモンスターの襲来と訳のわからない状態に戸惑うばかりで何もできず…仲間に支えられてここまで来ました。きっとここにいる皆様もそんな極限状態で闘ってこられたと思います』

…ってことは、つくし先生は途中から記憶を取り戻したってことか…。
オレたちを騙したわけじゃ、ない…?

『しかしご安心ください。この世界で死んだ者たちは現実世界では生きています。この仮想世界からログアウトしただけです。今、外の世界ではSEEDの者たちがシステムの改善に取り組んでいます。じきに皆様も失った記憶を取り戻していくでしょう。
皆様には早くゲームをクリアしてほしいと思っています。そしてこのゲームに参加した本当の理由を思い出して欲しいのです』

「ゲームに参加した本当の理由……?」

そういえば前にクロさんも同じようなことを言っていた。

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