テキストサイズ

僕らのらんど

第8章 集結

「は? なに、リアルの話?」

「まさかその石で空が飛べるとかそういう話か?」

「陳腐な設定でウケるわ」

あちこちからプレイヤーたちの笑い声が聞こえてくる。しかしそんな反応には一切構わず、虎生は話を続ける。

「その青い石…ブルーストーンは、我がSEEDの研究所で調べた結果、エネルギー資源のように物体を動かす力を持ってることがわかったんや。つまり生命が存在している限り、無限にエネルギーを使えれるっちゅうことや。ああ、もちろんこれは現実世界での話やで」

「うそっ…そんな魔法のような物がリアルで存在してるってこと?」

「信じられない…」

生命体エネルギーを吸収して、動力に変える青い石だって?
もしそれが本当だとしたら、国が…世界が放っておくわけがない。もしかしたら兵器として使われる可能性だってある。

「へぇ…おもしれぇじゃねぇか。で、その青い石と俺たちが戦うのと、どう関係があるんだ?」

アカツキの隣で、ずっと黙って話を聞いていたれんじさんが口を開く。

「まあ、話はまだ半分も話してへんわ。ニコチンがほしいんやったら、すぐ後ろの喫煙室で吸いながら聞いてもええで」

虎生がそう言うと、何人かはそそくさと喫煙室に走って行った。

「あれ? れんじ、タバコ吸うんだっけ?」

「吸わねぇよ」

れんじさんとアカツキのたわいもない会話を聞きながら、オレは虎生の次の言葉を待った。

「次にこの映像を見てほしい」

瞬間、「ゴゴゴッ…!」と地鳴りのような音が響き、思わず心臓が飛び跳ねた。

「きゃっ、なに!?」

まり先生がオレの腕にしがみつく。

「大丈夫、これ映像からの音だから」

「え、そうなの? びっくりした…!」

ほっとしたのも束の間、流れる映像を見てまた心臓が波打つ。そこに映っていたのは、複数の隕石が閃光を放ちながら街に落下するという衝撃的なシーンだった。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ