
僕らのらんど
第8章 集結
小学生の頃、両親が離婚したこと。
父親の転勤で東京から大阪に引っ越したこと。
父親が再婚し、7歳の義妹ができたこと。
でも義妹の菜々は生まれつき体が弱くて、入院ばかりしていたこと。
菜々と初めて会うまでは、正直再婚相手の家族とは仲良くするつもりはなかった。
『は、初めまして! あ、あのっ…』
『……菜々、だよね』
『はいっ…菜々です!』
『オレはひなただよ』
『ひなた…さん…』
『ああ、オレたち家族になるんだから、お兄ちゃんでいいんだよ』
『そ、そっかぁ…じゃあ、ひなたお兄ちゃん…』
『うん』
『あ、あの…。菜々ね、ずっとお兄ちゃんが欲しかったの。だから、お兄ちゃんってもう1回呼んでもいい?』
『別にそれくらい何度でも…』
『ほんと? やった…! ひなたお兄ちゃん、ひなたお兄ちゃん、ひなたお兄ちゃん!』
『はは、呼びすぎ』
『だって嬉しくてっ…。ひなたお兄ちゃん!』
菜々の笑顔がとても眩しくて、オレは菜々を傷つけてはいけないと思った。
『ねえねえ、お兄ちゃん、あれ見て!』
菜々が入院している頃、テレビでは10月にオープンしたラグナロクランドの特集番組がよくやっていた。
『菜々ね、いつかラグナロクランドに行ってみたいんだぁ』
『遊園地か…。確かVR体験もできるんだよな』
『ぶいあーる?』
『VRっていうのはバーチャル・リアリティといって、んー…わかりやすく言うと、菜々の好きなウサギのアニメがあるだろ? そのアニメの中に入れてしまう体験ができるってことなんだ』
『へぇ~おもしろそう! 菜々もお兄ちゃんとやってみたい! …コホッコホッ』
『大丈夫か? ほら、興奮すると咳がでるから、テレビ消すぞ』
『うん、ごめんね…お兄ちゃん』
『なんで謝るんだよ』
『菜々、頑張って早く治すね。治ったら、パパとママとみんなでラグナロクランドに行こうね!』
『ああ、楽しみにしてる』
父親の転勤で東京から大阪に引っ越したこと。
父親が再婚し、7歳の義妹ができたこと。
でも義妹の菜々は生まれつき体が弱くて、入院ばかりしていたこと。
菜々と初めて会うまでは、正直再婚相手の家族とは仲良くするつもりはなかった。
『は、初めまして! あ、あのっ…』
『……菜々、だよね』
『はいっ…菜々です!』
『オレはひなただよ』
『ひなた…さん…』
『ああ、オレたち家族になるんだから、お兄ちゃんでいいんだよ』
『そ、そっかぁ…じゃあ、ひなたお兄ちゃん…』
『うん』
『あ、あの…。菜々ね、ずっとお兄ちゃんが欲しかったの。だから、お兄ちゃんってもう1回呼んでもいい?』
『別にそれくらい何度でも…』
『ほんと? やった…! ひなたお兄ちゃん、ひなたお兄ちゃん、ひなたお兄ちゃん!』
『はは、呼びすぎ』
『だって嬉しくてっ…。ひなたお兄ちゃん!』
菜々の笑顔がとても眩しくて、オレは菜々を傷つけてはいけないと思った。
『ねえねえ、お兄ちゃん、あれ見て!』
菜々が入院している頃、テレビでは10月にオープンしたラグナロクランドの特集番組がよくやっていた。
『菜々ね、いつかラグナロクランドに行ってみたいんだぁ』
『遊園地か…。確かVR体験もできるんだよな』
『ぶいあーる?』
『VRっていうのはバーチャル・リアリティといって、んー…わかりやすく言うと、菜々の好きなウサギのアニメがあるだろ? そのアニメの中に入れてしまう体験ができるってことなんだ』
『へぇ~おもしろそう! 菜々もお兄ちゃんとやってみたい! …コホッコホッ』
『大丈夫か? ほら、興奮すると咳がでるから、テレビ消すぞ』
『うん、ごめんね…お兄ちゃん』
『なんで謝るんだよ』
『菜々、頑張って早く治すね。治ったら、パパとママとみんなでラグナロクランドに行こうね!』
『ああ、楽しみにしてる』
