テキストサイズ

僕らのらんど

第8章 集結

そして11月に入った頃、オレは友人からラグナロクランドに行かないかと誘われた。
もちろんオレは断った。

『菜々ね、自分でちょっと調べてみたの。ぶいあーるって、体が弱い人はできないんだって。だから菜々はぶいあーる体験ができないの。でもね、お兄ちゃんはできるでしょ? だからどんなふうだったか菜々に教えて?』

菜々がそう言ったから、それで菜々が喜んでくれるならと、オレは友人の誘いに乗った。

ラグナロクランドは滋賀の山奥にある。
電車とバスで片道二時間半ほどかかるため、少し遊んですぐ帰るつもりだった。

『風早くん、今日は来てくれてありがとうね』

クラスメイトの女子がオレに話しかけてくる。
確か、野々村ゆりという名前だった。

『じゃあ、それぞれ楽しむってことで』

友人ともう一人の女は、オレと野々村を置いて遊園地の方に歩いて行った。

『えっと…風早くんはどこに行きたいかな?』

『……VR体験』

『あ、それ! 私もやりたかったんだぁ』

野々村には悪いが、オレはVR体験が終わったらすぐ帰るつもりだった。

VR施設は巨大な船の中にあった。
どうして船なんだろうと疑問に思ったが、菜々からの突然の電話でどうでもよくなった。

『もしもし、菜々?』

『……にぃ……ちゃん……』

電波が悪いのか、よく聞き取れない。

『……空……あか……近……』

『え?』

『……にげっ……』

『…菜々?』

────ドオオオオオンッ!!

その時、凄まじい爆発音のようなものが響き、建物の窓ガラスが一気に吹き飛んだ。

『うあああああっ!!』

『きゃああああああっ!!』

ガラスの破片があちこちに散らばり、悲鳴が響き渡る。
人々はたちまちパニックに陥った。

『風早くんっ!』

オレたちは逃げ惑う人波に飲まれ、離れ離れになった。人混みに抗いながらもなんとか出口まで来ると、そこには信じられない光景が広がっていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ