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僕らのらんど

第8章 集結

「私一人のエネルギーだけですめばいいんだけど、それだけじゃ足りないの。何かを求めるならそれなりの代償は必要でしょ。大丈夫、このゲームは全てのエネルギーを奪ったりしないわ。あなたたちの潜在能力のエネルギーを少しもらうだけよ」

「…っちゅうわけや」

虎生はニヤリと笑い、オレの腕を掴むと胸ぐらから引き離した。

「いいんじゃねぇか? 減るもんじゃねぇし。エネルギー取られたんなら、また作ればいいだけの話だろ」

いつの間にかれんじさんが隣にいた。

「だから俺らに戦わせるんだろ? 戦いは潜在能力を出しやすいからな」

「ご理解感謝します」

「で、俺たちに対する報酬はあるんだろうな? もちろん現実世界での話、だ」

「ええ、もちろん。契約の時に話しましたが、あなたたちから生命体エネルギーを分けてもらう代わりに、それ相応の御礼をさせていただきます」

つくし先生がそう言うと、れんじさんは満足した表情を見せた。

「しかし…リタイヤ、つまり自分から命を絶った場合、そして死神に倒されてしまった場合はペナルティとして、報酬の話はなしにさせていただきます」

「!」

会場がざわつく。

「なるほど、ペナルティとはそういうことだったんですね」

一番前に座っていた月影さんが納得したのか頷いた。

「ちょっと待って。自殺行為がペナルティなのはわかるけど、死神に倒されてもペナルティだなんて私たちが損じゃない? だって死神って物凄く強いし、私たちよりもレベル高いのよ?」

月影さんの隣に座っている女性がクレームをつける。

確かにそうだ。
レベルが違い過ぎて、オレも危うく死にそうになった。

「死神はレベル30あれば十分倒せるはずよ。レベルがそれに達してない場合は、みんなと協力して倒してもいいの。それに死神はね、抜き打ちテストのようなものなのよ」

「抜き打ちテスト?」

「ええ、戦うことから放棄してないかチェックするためよ」

「なるほどな、エネルギーを得るために、何がなんでも俺たちに戦わせるってわけか」

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