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僕らのらんど

第9章 それぞれの想い

「そういえばまあやさんはどうしてここに残ったの? 確か友達探してたよね?」

何気なしに聞くと、まあやさんは少し黙ってから口を開いた。

「……自分でもよくわからないの。たぶんあの人は今頃ログアウトしてるんだろうと思うけど、会いたくないっていうか、会うのがこわいっていうか……」

「えっと、今更だけど聞いていい? その友達って、まあやさんの彼氏…?」

まあやさんは目を泳がせたあと、ゆっくり頷いた。

やっぱりそうだったんだ…。
だとしたら余計許さない。
戦闘中に彼女を置いて逃げるなんて…!

「でもそれとは関係なく、私は最後まで戦うつもりよ。私思い出したの。本当は両親はもうこの世にいないってこと。だからもう失うものなんて何もないのよ。だったら皆のためにできることをしたいなって思って」

「まあやさん…」

ここが仮想世界だとわかる前、まあやさんはずっと家族に会いたいって言っていた。
もしかしたらみんな記憶をなくしたのは、現実世界の悲しいことから目をそらしたかったのかな?
僕含めて…。

それから僕たちはひなたくんに頼まれた通り、ひなたくんチームと協力して地下迷宮に入った。
アカツキちゃんと兎太郎も参加して大人数になったため、3チームに別れて進んでいくことにした。おかげで低レベルだった僕たちはどんどん強くなっていった。

「スネイクフレイム!」

「ライトシールド!」

「タイガークラッシュ!」

「シャイニングアロー!」

僕とまあやさんと月影とゆずさんの技が繰り広げられる。地下迷宮はアンデット系が多いため、炎と光攻撃がよく効いた。

「ふぅ…MPも残り少ないし、今日はここまでにしましょ」

「そうですね、じゃあ戻りましょうか」

地下2階まで降りてきた僕たちは、来た道を戻り始めた。レベル上げといえど、死んでしまっては意味がない。MPの消費も考えながら戦わなければいけなかった。

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