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僕らのらんど

第9章 それぞれの想い

「じゃあ、あなたが大切に思ってるこの男を誰かが殺しても、あなたは文句を言わないのね?」

「…っ…」

「おい、もうよせ。アカツキは関係ねぇ」

れんじが二人の間に入る。

「れんじっ……」

「そういうことだからアカツキ、もう俺に構うな。忘れろ。お前は……死ぬなよ」

そう言うとれんじは背中を向けて部屋を出て行こうとした。

「やだっ…待ってよ、れんじっ……!」

れんじの背中を追いかけるアカツキちゃん。
そして…

「……れんじの、馬鹿──っ!!」

アカツキちゃんはれんじの背中におもいっきり体当たりをした。

「!?」

バランスを崩したれんじはアカツキちゃんと一緒に床に倒れる。

「おまっ…危なねぇだろうが! 怪我はっ…」

「なんであたしの気持ち無視するの!?」

「!」

「犯罪者だって話せば嫌われると思った? だから離れたの? そんなことされたって、あたしは全っ然嬉しくないんだからね!!」

「……っ……」

「あたしたちが出会ったこと、ヒロキと過ごしたこと、勝手になかったことにしないでっ…! 偽りの世界でもあたしにとっては大切な思い出で、大切な仲間なんだからっ…!」

「…アカツキ…」

「…それにあたしたち、もうすぐ死んじゃうかもしれないんだよっ? もう二度と会えないかもしれないんだよっ…! あたしはこのままれんじと会えなくなるなんて絶対やだよおっ……」

言いたいことをぶちまけると、アカツキちゃんは子供のようにワッと泣き出した。

僕たちは二人のもとに駆け寄った。
れんじに馬乗りになって泣くアカツキちゃんを見て心が痛む。

「…れんじさん。今だけは、自分の気持ちに正直になってもいいんじゃないですか?」

いつのまに居た月影がれんじに話しかける。

「あなたがアカツキさんを大事に思ってるのなら、彼女のそばにいてあげてください。お願いします」

そう言うと月影はれんじに頭を下げた。


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