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僕らのらんど

第9章 それぞれの想い

僕の隣ではまあやさんがもらい泣きをしている。

「ったく、れんじも不器用なやつだな…」

そう言いながら僕もちょっと泣きそうになった。

「ばっかみたい! そんなに一緒にいたいなら、仲良く地獄に落ちれば!?」

腹を立てた女性が、れんじとアカツキちゃんに向かって捨て台詞を吐いた。

「こら~~! 仲間の悪口を言うやつはボクが許さないぴょんよ!」

すると兎太郎がぴょんぴょん飛んできて、アカツキちゃんとれんじを庇うように前に立った。

「兎太郎……」

「うさぴょん……」

アカツキちゃんは兎太郎を後ろから抱きしめた。

「ありがとう、うさぴょん!!」

「わっ!! 苦しいぴょん! 離すぴょん~!」

「えへへっ、モフモフ……気持ちいい~」

このタイミングでモフるとは、さすがアカツキちゃん…と思ったら、

「あ、アカツキさん! ズルいですよ! 俺にもモフモフさせてください!」

お前もか、月影!!

呆れていると、女性の姿はもう居なくなっていた。
あとでつくしさんに聞いたら、女性は自らログアウトしたようだった。

翌日、僕たちのパーティーにれんじが加わった。
もちろん隣にはアカツキちゃんもいる。

あんな弱い姿を見せたんだから少しは大人しくなるかと思いきや、

「アキラ、俺の足を引っ張るなよ」

なんて強気でくるもんだから、僕は仲間宣言したことを後悔した。

「れんじ、もうレベル80なの!? すごい!」

アカツキちゃんがびっくりしている。
れんじは一人で黙々とレベル上げをしていたらしく、今日からレベル90のモンスターを倒しにいくと決めていたらしい。残りの時間も少ないし、僕たちもれんじについていくことにした。

「待ってください、皆さん!」

玄関のロビーで準備を整えてると、コック姿のクロさんがなにやらお盆を持って歩いてきた。

「ぜひ戦いの前に食べてください!」

そう言って出してきたものは、大皿に乗った大量の幼虫の姿焼きだった。

「これを食べれば攻撃力がアップしますよ!」

「うえっ……」


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