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僕らのらんど

第10章 最終決戦

正直悲しんでばかりもいられない。
僕は数キロ離れた場所で残りのチームが巨大化したダークウルフと戦っているのを目にした。

「もうあんなに大きくなってる…!」

あっちは物理攻撃で倒せてしまうから、甦る速度も早いんだ。
早く倒さないと…!
でも迂闊に手を出せば、死霊に噛まれて呪いをかけられてしまう。

「一体どうすればっ……」

「…アキラさん」

涙を拭いながらまりさんが話しかけてきた。

「アキラさん、さっきのホーリーシールドで私を守ってくれませんか?」

「えっ…何か策が?」

「ネクロマンサーを除霊してみます」

「除霊っ…!?」

そうか、確かまりさんの職業は巫女だっけ。

「神様の力を借りて除霊します」

「……まりさん一人で大丈夫なの?」

僕がそう言うと、まりさんは腰につけていた刀を抜いた。

「きっと、これがあれば大丈夫…」

まりさんは目を閉じた。
まりさんが持っているその刀は、よく見たらひなたくんが持っていた刀とよく似ていた。

「皆さんはネクロマンサーに近づかない程度に攻撃をお願いします」

「了解!」

まあやさんとミーカさんと黒魔女さんが頷いた。

「ボクたちも戦うぴょん!」

兎太郎がやんすさんの肩に乗ってやってきた。
やんすさんは戦場をあちこち走らされたのかヒイヒイ言っている。

「皆さん! 回復薬、武器、防具はあっしのアイテムボックスの中に入ってますので必要なら言ってくださいね!」

やんすさんの時空魔法スキル、アイテムボックス。
確か100個収納できるんだよな。
回復薬は僕のMPだけじゃ心許ないし、すごくありがたい。

「二人とも死霊には気を付けろよ! ネクロマンサーに近づくと死霊が出てきて噛まれると呪いをかけられるからな!」

「ひいっ、呪いですか!?」

「それで一人やられたから…」

「わかりました、気を付けます! あ、じゃあこれ…死霊に効きますかね?」

そう言うとやんすさんはアイテムボックスから除菌消臭スプレーを出した。


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