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僕らのらんど

第10章 最終決戦

「皆さん、大丈夫ですか!?」

月影とれんじがこっちに走ってきた。

「ダークウルフが突然消えたんです。ネクロマンサーを倒せたんですね?」

「ああ…。だけど貴史さんとまりさんが死んだ」

「!」

それを聞いた月影は無言で手を合わせた。

「こっちも自衛隊のやつらが二人死んだ」

れんじが悔しそうな表情を浮かべる。

「負傷者もいる。今そらじいさんが回復して回ってるが、回復薬はあるか?」

「あ、それならやんすさんが……」

そう言いかけた時、何か違和感を感じた。

「アキラ?」

何か足元から振動が伝わってくる。
それはみんなも気づいたようで、それがなんなのか確かめるために息を潜めた。

何か巨大なものが近づいてきているような気がして、僕の心臓は激しく波打った。

「……止まった?」

そう思った瞬間、ビルとビルの隙間からギョロリとした巨大な目が見えた。

「うわっ…!!」

───ドゴオオオオンッ!!

突然、大きな音と共に目の前のビルが崩壊した。

「!!」

「逃げろっ…!!」

コンクリートの瓦礫が隕石のように降ってくる。

「うわああああっ!!」

「きゃああああっ!!」

もう魔法を唱える余裕もない。
コンクリートの瓦礫は逃げ惑う僕たちの行方を阻んだ。

そして──目の前が真っ暗になった。

「……うっ……」

どれくらい経ったのか、僕の意識はまだあった。
体もなんとか動く。目を開けると、コンクリートの瓦礫の山がいくつも見えた。

「!」

奇跡的、僕の体は無事だった。
ゆっくり起き上がると、まるで地震でもあったかのように周りの建物が崩壊していた。

「……みんなを……探さないと……」

恐らくこの状態だと、みんなひどい怪我をしてるに違いない。早く見つけて助けないと…。

「……まあやさんっ……月影……れんじっ……やんすさん……!」

みんなの名前を順番に呼ぶが、返事はない。

「…くそっ…みんな…どこにいるんだよっ…」


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