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僕らのらんど

第2章 弟子と師匠

男はゴブリンの様子を見に行くと、すぐに戻ってきた。

「気絶してます。今のうちに安全な場所へ移動しましょう」

男はさも当然かのように歩き出した。

「ちょ…ちょっと待てよ! とどめを刺さないのかよ!」

放っておいたら、また襲ってくるかもしれないのに。

「…無駄な殺生はしたくないので」

男はクールに言い放った。
それが僕の感に触った。

「無駄な殺生って……今殺らなきゃ僕たちが殺られるんだぞ!? それにあいつの仲間は僕の親友を……くそっ!」

僕は悔しくなって、木の幹を蹴った。

「アキラくん……」

悲しそうな表情でまあやさんは僕を見ている。

「…トシヤの仇をうってくる」

僕は木の棒を握りしめて、倒れているゴブリンに近づいて行った。

「……っ……」

ゴブリンは男が言った通り気絶していた。

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