友達からのはじまり
第1章 男友達の関係
悲鳴を上げて、足をバタつかせて、
黒瀬に後ろから抱きしめられて、足が宙に浮いてしまう。
「……したいよ、桜井となら!……さっきから言ってる好きな子って、お前だから!」
「……ええっ!?」
だって背が低くて、可愛いって……っ!
「お前さ、俺のこと、好きだろう?……お前の気持ちが知りたくて、試すような意地悪言って悪かったよ」
……信じられない。
呆然と固まったままのあたしに、体を屈ませて、斜めに綺麗な顔が傾き、
唇が重なった。
……チュッ。
一瞬何が起こったのか分からずに、パチパチと瞬きして、涙がぽろりと零れた。
「好きだよ、はじめて会った時から、ずっと…っ、お前に合わせて授業も受けてたし、お前に近付きたくて、友達も増やした、全部お前が好きだからだよ」
……信じられない。
はじめて会った時って……、ちょうどこの辺りで走ってて転んだ時じゃない!?
そこの木の幹につまずいて、派手に転んで、そこの噴水で、
擦りむいた傷を、手当てして貰ったんだった。
……そんなに前から!?
びっくりして固まったままの、あたしの手を引いて、昔転んだ木の方に連れて行かれる。
木の幹に体を押し付けられて、再び唇が重なった。
チュッ、ちゅく、ちゅうう
舌を絡められた瞬間、びくりとして、体が震える。
やらしく絡められて、歯列をなぞられて、口の中を犯されるように、
舌が侵入して、あたしの口の中を貪られる。
唾液が絡まり合い、呼吸が苦しくなり、足がガクガクと震える。
「……ふっ…ふあ…っ…!」
口元を伝う唾液はあたしのなのか、黒瀬のなのか、分からないくらいに、
交ざり合い、深いキスに立っていられなくなり、足がかくんっとなり、
しゃがみ混んでしまう。
「……試してくれるんだろ?」
…ハァ
熱い吐息を繰り返しながら、黒瀬がペロリと舌を出す。
しゃがみ混んで、木の幹に体を預けて座る、あたしの服がいそいそと脱がされる。
「……ちょっと待って…っ、試すって、さっきの話……っ?」
「うん、そう」
ブラウスのボタンをするすると外されて、首元のリボンをしゅるりとほどかれた。
「……待って、待って…っ、あたし……っ、実は経験なんてちっともないから……っ」