氷華~恋は駆け落ちから始まって~
第5章 彷徨(さまよ)う二つの心
部屋の中には、千尋の海の底を思わせる静けさが満ちている。そのひそやかなしじまの底をあえかな声が艶めかしく這う。
部屋にしかれた薄い夜具の上では、ひと組の男女が全裸で烈しく絡み合っていた。
夜具の上に横たわったトンジュの上に大きく脚を開いて跨り、サヨンはひっきりなしに声を上げていた。トンジュは下から腰を動かし、サヨンを思い切り突き上げる。サヨンはトンジュの胸に手をついて、その度に背を仰け反らせた。
「う、あ、あぁ」
最初の方こそ何とか意思の力で声を洩らすまいと持ち堪えていたサヨンだったが、女体を知り尽くしたトンジュの巧みな攻撃には陥落するしかなかった。
「ほら、サヨン。もっとその愛らしい啼き声を俺に聞かせてくれ」
トンジュの突き上げは更に烈しくなり、速度を増した。それに合わせるように、トンジュに跨ったサヨンの身体も上下に揺れる。
あまりに烈しい攻勢にサヨンの身体はたちまち極まった。サヨンが堪りかねてくずおれれば、トンジュは顔許に近づいた乳房の蕾をすかさず口に含み吸い上げる。絶え間ない快楽地獄に落とされ、責め苛まれ、サヨンは心身ともに崖っ淵にまで追いつめられていった。
森から連れて帰ったサヨンをトンジュはすぐに押し倒した。嫌がって逃れようとするサヨンは押さえつけられ、何かの薬らしきものを呑まされた。
それが媚薬だと気づいたのは、既に薬の効き目が現れ始めてからのことだ。トンジュは薬で朦朧としているサヨンを横たわらせ、自らの唇でゆっくりと愛撫を施していった。
乳房、胸の谷間、臍のくぼみ、耳の裏、はては秘められた狭間の奥まで、トンジュの唇と舌が入らない場所はなかった。一つ一つ入念に愛撫を与えることで、彼はサヨンの身体に火を点してゆくのだ。彼によって点された火はやがて大きな焔となって燃え上がり、サヨンを身体ごと心まで焼き尽くした。
「ああっ、あーっ」
やがて、その焔も燃え尽きる瞬間が来る。ひときわ焔が烈しく燃え上がった瞬間、サヨンは絶頂を迎えた。
サヨンの内奥は烈しく蠕動してトンジュのものを迎え入れ、自らの奥で弾け散るトンジュから放たれた精を貪欲に吸収する。
部屋にしかれた薄い夜具の上では、ひと組の男女が全裸で烈しく絡み合っていた。
夜具の上に横たわったトンジュの上に大きく脚を開いて跨り、サヨンはひっきりなしに声を上げていた。トンジュは下から腰を動かし、サヨンを思い切り突き上げる。サヨンはトンジュの胸に手をついて、その度に背を仰け反らせた。
「う、あ、あぁ」
最初の方こそ何とか意思の力で声を洩らすまいと持ち堪えていたサヨンだったが、女体を知り尽くしたトンジュの巧みな攻撃には陥落するしかなかった。
「ほら、サヨン。もっとその愛らしい啼き声を俺に聞かせてくれ」
トンジュの突き上げは更に烈しくなり、速度を増した。それに合わせるように、トンジュに跨ったサヨンの身体も上下に揺れる。
あまりに烈しい攻勢にサヨンの身体はたちまち極まった。サヨンが堪りかねてくずおれれば、トンジュは顔許に近づいた乳房の蕾をすかさず口に含み吸い上げる。絶え間ない快楽地獄に落とされ、責め苛まれ、サヨンは心身ともに崖っ淵にまで追いつめられていった。
森から連れて帰ったサヨンをトンジュはすぐに押し倒した。嫌がって逃れようとするサヨンは押さえつけられ、何かの薬らしきものを呑まされた。
それが媚薬だと気づいたのは、既に薬の効き目が現れ始めてからのことだ。トンジュは薬で朦朧としているサヨンを横たわらせ、自らの唇でゆっくりと愛撫を施していった。
乳房、胸の谷間、臍のくぼみ、耳の裏、はては秘められた狭間の奥まで、トンジュの唇と舌が入らない場所はなかった。一つ一つ入念に愛撫を与えることで、彼はサヨンの身体に火を点してゆくのだ。彼によって点された火はやがて大きな焔となって燃え上がり、サヨンを身体ごと心まで焼き尽くした。
「ああっ、あーっ」
やがて、その焔も燃え尽きる瞬間が来る。ひときわ焔が烈しく燃え上がった瞬間、サヨンは絶頂を迎えた。
サヨンの内奥は烈しく蠕動してトンジュのものを迎え入れ、自らの奥で弾け散るトンジュから放たれた精を貪欲に吸収する。