テキストサイズ

氷華~恋は駆け落ちから始まって~

第4章 涙月

「まあ、良い。お仕置きは、これからたっぷりと時間をかければ良いしな。女は可愛がってやるものだ」
 いきなり唇を塞がれ、サヨンは身を強ばらせた。離れようとしても、大きな手で後頭部を押さえ込まれ、身動きもままならない。
 侵入してきた男の舌は当然ながら、サヨンにも応えることを要求し、逃げると追いかけてきて執拗に絡め取られ吸われた。
 口づけは角度を変えて延々と続いた。サヨンはあまりの息苦しさにもがいた。彼女の手が助けを求めるように宙をかく。トンジュはその手を掴み、サヨンの頭を固定させたままで次第に口づけを深めていった。
 彼の手つきは、十八歳という年齢にしては随分と手慣れていた。サヨンと深く唇を結び合わせながらも、片方の手は器用にチョゴリの前紐を解き、チョゴリ、下着と脱がせてゆく。
 胸に巻いた布もするすると解かれた。
 呼吸を奪われたサヨンは、既にこの時、ぐったりと動くこともできなくなっていた。
「相変わらず良い身体してるな」
 トンジュが淫靡な笑いを浮かべて満足げに頷いている。
 チュッと音を立てて唇を、薄紅色の胸の頂に口づけられた。その音で、サヨンはハッと眼を見開き、茫然とした。
 トンジュが近づいてくる。
 伸びてきた手がいきなり胸の先端をこね回した。
「いや」
 サヨンは烈しい驚愕と恐怖の表情を浮かべ、身を退こうとする。しかし、すかさず男の手が背に回り、逆に引き寄せられた。
 トンジュの指は気まぐれに胸の上を行き来する。乳輪をなぞり、中心のいじらしい突起を摘み、時には乳房全体を手に包み込んで嫌らしく揉んだりした。
「止めてよ、止めて」
 涙が溢れそうになるのを慌てて堪えた。  ふと、トンジュがクスリと笑みを零す。
「接吻(キス)で感じたのか?」
「―?」
 サヨンは涙の滲んだ眼でトンジュを見上げた。きょとんとした表情のサヨンを見て、トンジュが声を上げて笑った。
「こいつは愕きだな。十九にもなって、本当に愕くほどねんねだ。よしよし、俺がちゃんと教えるやろう」
 笑いながら、胸の先端を指でつつかれた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ