氷華~恋は駆け落ちから始まって~
第4章 涙月
「―」
サヨンは両手で顔を覆って烈しく泣きじゃくった。
「さあ、三つ数える間に来るんだ」
氷を思わせる冷たい声が一、二、三と数え上げる。サヨンは泣く泣くトンジュの方に寄っていった。
「よし、それで良い」
すぐにまた男に押し倒され、覆い被さられた。続いてチマをはぎ取られ、下のズボンも引き降ろされた。面倒になったらしく、トンジュは下穿きは引き裂いた。
とうとう何も付けていない裸になったのだ。
あまりの恥ずかしさに、サヨンは身体を折り曲げ、守るように自分の身体を抱きしめた。トンジュが舌打ちを聞かせ、力ずくでサヨンの腕をふりほどく。
涙眼で見上げた先に、怖い顔で睨んでいる男の顔が視界に入った。
―怖い、怖くて堪らない。
トンジュが何を自分に求めているかは判らなかったけれど、ひと月前に襲いかかられたときはチマを捲られ、下半身を弄られたのだ。
また、あのときと同じことをするつもりなのかもしれない。いっそのこと、このまま失神してしまった方が楽なのだろうか。目覚めたときには、嫌なことすべてが終わっているだろうか。
サヨンは再び身を起こし、怯えきった眼でトンジュを見上げる。
「震えているな。怖いのか?」
トンジュは愉しげに言うと、サヨンの身体を床に転がした。まだ二月の終わりである。一糸まとわぬ身体に冷たい木床が触れ、膚が粟立った。
「初めは痛いかもしれないが、次からは良くなるはずだ。今し方、乳房を愛撫されたときにサヨンが感じたような気持ちよさだけを感じられるようになる」
トンジュは横たわったサヨンの足下に座り、またもや意味不明のことを言っている。
「脚を開いて、俺の肩に乗せて」
躊躇う時間など与えれず、有無を言わせず両脚を大きく開かされ、肩に抱え上げられた。
トンジュが身を乗り出し、サヨンの顔を真上から覗き込んだ。いつも端麗なその顔は、欲望でゆがみ、サヨンの瞳には別人のように醜く見える。そこには同情とも冷笑ともつかない表情が浮かんでいた。
サヨンは両手で顔を覆って烈しく泣きじゃくった。
「さあ、三つ数える間に来るんだ」
氷を思わせる冷たい声が一、二、三と数え上げる。サヨンは泣く泣くトンジュの方に寄っていった。
「よし、それで良い」
すぐにまた男に押し倒され、覆い被さられた。続いてチマをはぎ取られ、下のズボンも引き降ろされた。面倒になったらしく、トンジュは下穿きは引き裂いた。
とうとう何も付けていない裸になったのだ。
あまりの恥ずかしさに、サヨンは身体を折り曲げ、守るように自分の身体を抱きしめた。トンジュが舌打ちを聞かせ、力ずくでサヨンの腕をふりほどく。
涙眼で見上げた先に、怖い顔で睨んでいる男の顔が視界に入った。
―怖い、怖くて堪らない。
トンジュが何を自分に求めているかは判らなかったけれど、ひと月前に襲いかかられたときはチマを捲られ、下半身を弄られたのだ。
また、あのときと同じことをするつもりなのかもしれない。いっそのこと、このまま失神してしまった方が楽なのだろうか。目覚めたときには、嫌なことすべてが終わっているだろうか。
サヨンは再び身を起こし、怯えきった眼でトンジュを見上げる。
「震えているな。怖いのか?」
トンジュは愉しげに言うと、サヨンの身体を床に転がした。まだ二月の終わりである。一糸まとわぬ身体に冷たい木床が触れ、膚が粟立った。
「初めは痛いかもしれないが、次からは良くなるはずだ。今し方、乳房を愛撫されたときにサヨンが感じたような気持ちよさだけを感じられるようになる」
トンジュは横たわったサヨンの足下に座り、またもや意味不明のことを言っている。
「脚を開いて、俺の肩に乗せて」
躊躇う時間など与えれず、有無を言わせず両脚を大きく開かされ、肩に抱え上げられた。
トンジュが身を乗り出し、サヨンの顔を真上から覗き込んだ。いつも端麗なその顔は、欲望でゆがみ、サヨンの瞳には別人のように醜く見える。そこには同情とも冷笑ともつかない表情が浮かんでいた。