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Living with Simone アイツと暮らせば

第1章 出会いという名の禍

気付いたら、いつも家の近くで待ってる男が居るんですよね。

最初のうちはご近所さんかと思って、
Hi!とかHow are you doing?とか声を掛けたりしてたんですよね。

でも流石に、ボーッとしとるミカでも気がついた。

親友のアレックスに
最近こんな事があってさぁ…って話をしたら、そりゃ絶対やべー奴だって事で、友人が家に寄ってくれるようになった。

その中の一人にゲイの警察官がいて、誰かと一緒に偶然家に来てたシモーネが、その彼に一目ぼれして、なんだか分からんけど、ミカの家にちょくちょく来るようになっちゃった。

自己紹介?したくもねーケド、アイツの事を誰かがシモーネ呼んでた。美少女漫画に出てきそうな名前じじゃね?

そんなことが1ヶ月程続いて、大した事ない手料理振る舞ううちに、シモーネが来る回数が増加。
週に1-2回からほぼ毎日に…まぁその頃には、話す様になったんだけど、ふたりになると日米暴言合戦。

あーでもアイツ イタリア人なのよ。でも喧嘩は英語。

ただね、タイプのオトコがいる時は、
ずぇぇったいにしないんだな。腹立つ!

「腹減った…飯。」

3人掛けのソファの上でゴロリと寝るアイツ。
デカいから足が出ちゃう。

「だが…断る」

「俺、お前のボディーガードよ?
もうちょっとその態度何とかならないの?」

「黙れ。」

「可愛くねーんだよ。だから彼氏出来ねーし。」

何度も言いますけどね?
この時ミカにはちゃんとした彼氏居たんですよ?
ただ色々あってその後さよならしちゃったんだけどさ。

ミカが当時住んでたのは、小さな1軒屋。

ある日、普段使ってない部屋のカーテンを閉めようとしたら、窓の外に人の気配がして、あれ?と思ったの。

…見間違いかもしれない…いいや…違う。

ちょっと壁に隠れてたらね、窓の外からにゅーっと顔が出てきて、部屋の様子をじーーーーーーーっと覗いてるの。13日の何曜日?的なシチュエーションに、びっくりしちゃって流石のミカもお漏らし寸前。

音を立てないように、そぉっとリビングに帰って、ぐだぐだしているシモーネの肩をグーパン連打したミカ。

「あのちょっとスミマセン。今夜は、やる気があるストーカーさんが窓の外に立ってるんです…」

ミカは怖すぎて暴言吐くのも忘れて、泣きながらアイツを叩き起こした。


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