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Living with Simone アイツと暮らせば

第8章 恋人期間新記録

丁度出来上がる頃に、1回戦終了のお知らせ=シャワーを浴びる音がした。

「とっても良い香りですね。僕手伝いますよ。」

ダンが濡れた髪のまま2階から降りて来た。

…僕手伝いますよ…。

…僕手伝いますよ。

ええ…余りの感動に何度もその言葉を反芻しちゃったよ。

「日本式のカレーって食べたことがある?」

「食べたことないけど、食べます。」


もうね…この言葉で、ダンの印象はかなりアップ。

こっちの人って食べた事無いものは、あんまり食べたがらない。パンだけで良いとか、サラダだけとか言う子が多い中、ダンは違った。

これは大人でも同じだ。
職場に真新しい料理を持って行っても、誰も手を付けなかったりするの。

あっと脱線…ダンの話ね。


「チャレンジャーだね。みんな大抵最初は嫌がるのに。」

ミカは思わず笑った。

「食べたこと無いものは、取り合えず食べてみる。一度じゃ判らないから何度か食べてみて、それでも駄目だったら遠慮するんだ。」

…すげーよ。ダン。

言動も落ち着いてるし稀にみる人格者。

「少な目にするから、試しに食べてみて美味しかったらお代わりすれば良いわ。」

ミカがごはんをよそって、ダンがカレーを掛けテーブルへと運ぶ。

ご飯の準備が出来た頃に、シモーネは、降りて来る。
はいはい…もういつもの事ですよ。

「うん♪とっても美味しいよ。」

ダンは、ニコニコと嬉しそうに食べた。

「もっと食べて良い?」

そう言って自分で席を立ち、お代わりに行った。
その隙を狙って、シモーネに話しかける。

「ねぇ。ちょっといい人じゃない?長くお付き合いするように頑張りなよ♪あの人だったら連れて来て良いよ。」

ミカの直感は大抵当たる。
第一印象が悪いと、その後も駄目なケースが多いから。

…例えば、お前。

「黙れブス!」

そんなこと言いつつも、シモーネはカレー好き。
ダンが戻って来たのでシモーネは、再び猫を被る。

「美味いな…。」

「ちょっとスパイシーだけど、うん♪とっても美味しいよ。」

嬉しそうに食べるダンをミカもシモーネも眺めてた。











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