Living with Simone アイツと暮らせば
第8章 恋人期間新記録
「シモーネと付き合ってどれくらい?」
アイツはじろりと睨んだ。
余計なことは言うなよ?って感じ。
…聞かれたくねーなら、うちに連れてくんな!ボケェ!
「うーん。あんまり会えないんだけど…3カ月ぐらいかな。」
ダンはテーブルの上の大きなシモーネの手にそっと触れながらアイツを見つめた。
…ヤリ逃げ上等のアイツが3カ月?
ミカが知らないシモーネ情報は、
アレックスが教えてくれるんだけど、
これは初耳だった。
…ってことは、それ以外はほぼワンナイトってことだ。
週に最低でも1度は誰かとデートしているアイツ。
アイツは通年モテ期。
顔で騙される男性多数。
それだけは確か。
「ふーん。そんなに “長い”お付き合いなのね。」
シモーネにとって特別な人だという事は感じ取れた。
「ミカ…さっきはホントにごめんね。
君が帰って来るとは思わなくって…同居人が居るってことは聞いてたんだけど。」
ダンは済まなそうに言った。
「見られても良いなら、どこででも構わないけど、
嫌ならシモーネの部屋だけにして頂戴。」
「ミカはね…彼氏が居ないから、僕のことを僻んでるんだ。」
しれっとした顔でシモーネは言った。
…いつかNTRのこと話してやる。
ダンに免じて許す優しいミカ。
「今は、ミカのお眼鏡に叶う人が居ないだけでしょう?
そのうちきっといい人が見つかるよ。」
…ええ…あなたが、こいつを引き取ってくれたら、すぐに見つかりそうな気がするんですけどね?
さりげなくシモーネを窘めるあたりも大人だ。
「お仕事忙しいんでしょう?またシモーネが居ない時でもご飯ぐらい作るから、遊びに来て頂戴ね。」
それを聞いてシモーネが驚いた顔をした。
今までの彼氏達にそんなことを言ったことは、
一度も無いから。
ええ…皆さんもご存じのとおり、
アイツは、それだけ変なヤツを連れて来るんですわ。
「本当に?日本食って寿司ぐらいしか知らなかったけど、カレーもだったんだね。」
…あーっとカレーはインド…な?
まぁこんな感じでとぼけたとこもあるダンですが、職業が弁護士さんで、ミカにとって頼れる存在になるの。