テキストサイズ

Living with Simone アイツと暮らせば

第16章 スキンヘッドの蝶々

「現場の検証は殆ど済んでいるんだけれど、この状況じゃ皆を出勤させられない。」

特殊清掃業者…というものがあるんだそうだ。殺人事件などの現場を綺麗にする専門の業者だ。

警察からの事情聴取があると言われた。勤務表やクライアントのファイルなどを念のため押収されることになった。

昨日はどんな様子だったとか、何度も同じことを繰り返し聞かれた。

ミカの部署は全て仕事が停止するので、
他の部署への仕事の割り振りや、
部下たちへのカウンセラーの手配など、やんなきゃいけない事が山積みだ。。

上司が対応の為に数人の中間管理職を呼んでくれたのでお昼過ぎには、何とか目途が経った。


清掃業者が片付けを始めたんだけど、
口笛拭いたり、冗談言って片付けてるのを見て、
ミカの怒り爆発。

「自分の身内が死んでも、そうやって冗談言いながら掃除出来るのかしら?プロならプロらしく黙って仕事しないさいよっ!!!」

その場が一瞬シーンと静まり返ると
警察官がやって来て、
「まあまあ…疲れたでしょ?コーヒーでも飲みますか?」

なんて声を掛けてくれた。

丁度そんな時に専務が面倒臭そうにやってきた。

「話を聞いたけど…参ったなぁ。あーあ。これじゃ暫く仕事が出来そうに無いじゃないか。」

午後からは緊急会議。直接話したことも無い社長や随分と偉い人達にミカの直属上司とミカ。

ちゃんと決められた有給は取っていたのか、受診などが出来ていたのか、仕事の割り振りはどうだったか…など。会社って冷たいねって思ったけど、残された家族は会社を訴えるだろうし、色んな対策を練らなくてはいけなかった。
















ストーリーメニュー

TOPTOPへ