恋人⇆セフレ
第8章 したい、させたい
「まだ話し合いはした方がいいと思ってます。
でも、俺は心置きなく志乃さんを送り出せる確かな自信を今日持てました」
「ドヤるなよ、バカ」
「ドヤるでしょう。だって相手は志乃さんですよ?」
手が頬に添えられ、綺麗な二重の瞳がすぅと細められる。
そして、触れるだけのキスをした伊織は、愛おしそうに俺の髪を撫で付け、溺れるような視線を俺に向けた。
「これからずっと、志乃さんの好きを独占するのは、俺だけです。この体も全部、俺だけにくださいね?」
「ン、」
その言葉を皮切りに、伊織は甘噛みするように俺の首筋に歯を立て、熱い舌を肌に乗せた。
濡れた感触がダイレクトに伝わって身を捩るけど、抱きすくめられ、より深く求められる。
なんだよ、バカ。俺を不安にさせやがって。
お前、もう俺を離す気なんて一ミリもねーじゃん。
「好きです、志乃さん」
「ふ、ぁ」
余裕がないけれど、俺を気遣うような手つきでボタンをどんどん外され、とうとう前がはだける。
そこにいくつか唇を落とされ、鎖骨を噛まれると、腰が溶けそうなほど気持ちがいい。
「あっいお、いおり。も、立てない、」
「俺が支えてるので大丈夫です」
「ぁ、」