恋人⇆セフレ
第8章 したい、させたい
舌先で擽るように幾度か舐められ、腰が浮いた瞬間に下着が抜き取られる。
そして、露わになったソレを、伊織はなんの躊躇いもなく口に含んだ。
「んあ…」
優しく包まれた感覚と、背中から脳天に突き刺すように走る快感に、はぁ。と甘い吐息が溢れる。
そんな俺の腰を抱き抱えた伊織は、ゆっくりと喉奥へ飲み込んでいく。
「あっやだ、やめ、」
「ん、」
温かい口内で張り詰めて行くソレ。
ダラダラと垂れる蜜を強く吸われながら、ザラついた舌が巧みに動き回ると、火花が目の前でバチバチと飛ぶ。
「アアッん、あっあっやっぁーーーっ!」
そして、喉奥にちゅ、と吸い付かれ、締まりを感じた瞬間、目の前が真っ白になり、全身が震えた。
「はぁっはあ…っ」
「ん…イッた時の顔、可愛い」
パタリと腰も手足も力が抜け、胸を大きく上下させていると、伊織のとろけるような声が耳を撫ぜた。
「…伊織の変態」
「志乃さん限定で、ですけど」
ふ。と笑った伊織が、軽いリップを頬に落とす。
俺はそれを甘んじて受け止め、その心地よい体温に目蓋を閉じた。
変態だなんだと揶揄しながらも、こうして求められると、嬉しいとも思うし、気分は悪くない。
ーーー伊織もそう思ってくれるだろうか?
「伊織…俺もお前の舐めたい」
お返しだと言わんばかりにポツリとそう言うと、伊織は一瞬だけ目元をぴくりと動かして、ゆるりと頭を横に振った。
「今の言葉でもう限界に達しました。勿体無いですが、それはまたの機会にお願いします」