恋人⇆セフレ
第8章 したい、させたい
「はっ?ちょ、まっ今イッたばっか…ッ!」
目を瞬く合間に、伊織が再び頭を俺の中心部に埋めていてギョッとする。
そして、ヌル、と側面を下から上へと舌を這わせた伊織が、流れるように手を背後に滑らせた。
冷たい感触に体がびくつく。ローションだろうか。
「息、吐いてください」
「んっ」
伊織の言葉が途切れてすぐにつぷりと指が侵入してくる。久しぶりの違和感に、口が大きく開き、背がしなった。
深く侵入し、いい場所をトンと突く長い指。
敏感な雁首を擽る舌。
激しい快楽。
耐え切れず貪りあったおかげで冷房をつける余裕もなく、蒸し暑い室内で行われる情事に、頭がボゥとしてくる。
ジュクッチュクチュクッ!
ジュプッチュルッ
「ひぁっああーー、んっあっ」
もう駄目だ。
両方から来る強い快感のせいで、視界がだんだん白んできてパチパチと弾いている。
でも、まだイきたくない。イクなら俺はーーー…。
ジワリと生理的な涙が浮かぶ視界で、顔を埋める伊織の髪を強く掴み訴える。
「いお、りッいおりっ!」
「ん?気持ちいいの?」
「気持ち、良過ぎてっも、無理…っ!」
だから、だから。
「伊織のでかき混ぜてっイかせて…!」
「ーーー…」
もう必死だった。
伊織のが欲しくて、早く一つになりたくて。
お預けを食らってから、お前ので満たされることを想像することばかりで、もう限界なんだ。
なのに、今日は俺が絆されるばかりで、触れるばかりか見ることもままなっていない。