恋人⇆セフレ
第9章 「初恋の」
『今、周りに誰かいますか?』
慌ててる俺が目に浮かんだのか、くすりと笑った伊織が、囁くようにそう言う。
「くそ…」と呟いた声は消え入りそうで、顔を膝に埋めた俺は大きく息を吐き。
「いない…それに死角だから、そばを通らない限り、ばれない」
伊織の誘導に素直に従った。
『良かった。……ね、聞かせてくれる?』
「〜っ」
くそ、くそっ
言っとくけど、こんなことするの、初めてなんだからな!
このことは死ぬまで一生小言いってやるし、お前が最初で最後で、
お前だから、やってやるんだ。
俺は伊織の言葉には返事をせずに、恐る恐るパンツに手を忍ばせて、下着の上からまだ柔らかいソコを撫で。
「ふっ…、」
零れた吐息を聞かせた。
『…ーー』
携帯から小さく息を飲む音が聞こえる。
「ぁ…ん、いお、り…」
伊織の手を思い出しながら、形をなぞるように撫でると、段々と硬くなってきたソレ。
先をぐっと押すと、「あっ」と声が自然と漏れる。
伊織はこれから、どうするんだっけ。
ーーーあぁ、そうだ。
撫でていたソコにキスを落とすと、下着の中に手を入れてから玉袋を揉み、全体を愛撫してくるんだ。
でも、俺だけでキスなんかできないし、今は両手を使うこともできない。
ーーなんだ。
「っダメ、じゃんッ」
『……ぇ?』
「お前がいないと、やっぱ、だめじゃんか…ッ!」
『ーーーー、』
必死に喉から絞り出した声は、笑ってしまうくらい上擦っていた。