恋人⇆セフレ
第9章 「初恋の」
「ふっう、んん〜っ!!」
くちゅ、とより深まったキスにハッとし、体を捩り逃げようとするけれど、動こうとすればするほど抱きこまれてしまう。
やばい。ピクリともしないぞ、このバカ力が…!
「もっま、き…ッ」
やめろ、と最後の抵抗に抗議をするも、開いた唇が好都合だと言わんばかりに舌が入り込んできた。
熱い舌は奥で縮こまる舌を簡単に捕まえて、食う勢いで吸い付かれてしまう。
「あ、…っふ、んぁ…、」
俺はそんなキスにあっという間に腰砕になり、真木に支えてもらってやっと立てる状態で。
真木からのこんな強引なキスは初めてで、頭が真っ白になる。
真木、なんで。
「志乃ーー、こっちを見ろ」
「っや…っなに、ンゥッ」
ーーー突然の刺激に、ビクッと体が揺れた。
体を強く抱き抱えていた手が、不意に下肢に伸びてきたせいだ。力強い手が尻を掴み、そのまま前へと移動する。
「俺だけを、見ろ」
「ひっ」
ぐてんと力の抜けた体ではその手を振り払うことも出来ず、冷たい手がそのまま下着の中に侵入し、好き勝手暴れだす。
俺だけを見ろ。
そう言う真木の心理も分からず、快楽に負けたくなくて、唇を強く噛んだ。
いやだ、いやだ。真木は、嫌がる俺に、こんな風に無理矢理押し付けるようなことは絶対しない奴なのに。
「やぁ〜ッくちゅ、くちゅ、するな、ぁっ」