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恋人⇆セフレ

第12章 春がきて。




もう、最低な俺のことは忘れてるよな。



今は誰か別のやつと付き合ってたりするのか?
あいつは女だけじゃなくて男にもきっとモテるだろうから、もしかしたら一緒に住んでたりするのかもしれない。



「……自分の想像力が恨めしい」
   


想像しただけなのにズキズキと痛み出した胸に気づかないフリをして、気分転換に外に出ようと体を起こした。



少し古びてしまったシロクマのキーホルダーつきの鍵をひっつかんで、靴に足をかける。



扉を開けると、落ち着いた住宅街が目の前に並んでいて、すぐそばの公園では子供と犬がボールで遊んでいた。



喧騒の中住んでいたあの場所も気に入っていたが、ここはここで落ち着いていいと思う。



ーーーー作品ができたと同時に真木の担当を降りた後、長期出張していたこの場所に移動になった。



といっても、前の会社の最寄りから電車で数十分で着く為そんなに離れてはいないんだが、以前の場よりも周辺の人がおっとりとしていて、地元を思い出すせいか気に入っている。



美味い珈琲専門店も見つけた。
今日はそこでゆったりカフェラテを飲んで、明日から労働させる体をじっくり休めてやるつもりだ。




いい加減リセットしてやらないといけないし、新しい生活に気持ちを変えていかなきゃだ。



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