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青色と黄色の短編集

第5章 大野さん生誕祭

Oside




ニコニコしながら駆け寄ってくるニノ。





相変わらず可愛いなぁ…








ニノは船酔いするし、


人混みも苦手だから



ゆっくりできる京都を選んだ。








おいらがJr.の頃に住んでた場所とか

舞台までの道とか






ほんと懐かしい…






町を眺めながら歩くおいらの半歩後ろを



ニノはちょこちょこ着いてくる。






無理に会話しなくてもいい雰囲気が心地いい。





昔からそうだった。






よく電話してくるくせに

会ったら会ったで大人しく隣に座ってるだけ。





今だって

時々質問を投げかけてくるけど


答えると相槌をうってまた大人しくなる。





おいらがこの町の記憶を呼び起こしてるのを


まるでニノは分かっているよう。








あの時は本当に事務所をやめたくて。





何でこんなことしてるんだろ?って

帰りたいって





毎日ニノに電話してた。






今じゃ思い出だけど





あの頃はしんどかった。






いつ辞めようかって思いながら


この美しい町を見る日々だった。






でも今こうして嵐として頑張ってるから



原点じゃないけど、




この景色も大好きになった。





ニノのおかげかな。



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