テキストサイズ

月の木漏れ灯図書館

第6章 月下美人

夜空には煌々と輝く月。


こんないい月夜に忘れ物とはついてない。小道を抜けると、裏口と呼ばれる白の扉がある。ここにそれぞれのクラスの証である紋章をかざせば、誰でも自由に出入りができる。


少女は月下美人が描かれたカードを扉にかざす。認証いたしましたとアナウンスが流れ中へ入る。


天井には圧倒される美しい花の彫刻。細部まで丁寧に彫られていて素人目でも価値が高いことは一目了然だ。下の階は植物のクラスが3クラス、中の階は水と風のクラスそれぞれ2クラスずつで合わせて4クラス、上のクラスは天のクラスで1クラスしか存在しない。

階ごとに彫刻も違っている。


長い廊下を渡り終え奥の間にたどり着く。扉に手をかけーー少女は不思議に思う。


何故、開いているのだろうかと。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ