先生
第3章 時間
こういう時に限って時間はいつもより早く経つように感じる
鼓動が早くなるのが自分でわかる
「愛香、やっぱ私も帰る!」
「え?先生が残っててって言ってたのに?」
「別に明日でもいいし忘れてたっていうテイで…」
「怒られても知らないよ?笑 」
「う、うん…いいよ?」
そう言って真菜と靴箱まで降りた時
『お、西本。わざわざ靴箱まで来なくても俺が教室行ったのに』
「えっ?」
職員室と靴箱の廊下は繋がっていて先生がちょうど職員室から出てきてしまった
『はい、上がるよ』
結局先生と階段を上がって教室まで一緒に行くハメになった
『今日もお疲れ様。』
私は軽く頭を下げた
『ほんとは…』
「?」
『お前ほんとは帰ろうとしてたんだろ。笑 』
「…」
『俺と話したくなさそうな雰囲気だけど。』
「…いや」
『どっちの"いや"?』
「話したくない訳じゃないです。」
『そう?体育館で会った時も1回も目合わせなかったし俺の事避けてるように見えたから。』
「それは違くて…普通に『じゃあなんで帰ろうとしたの?』」
私の言葉を遮ってまで聞いてきた
「もう気まづいから。」
この言葉を言った瞬間無理やり繋いでいた糸が切れたようそんな感じがして涙が止まらなくなった