先生
第3章 時間
家に着いて泣いたあとのぐしゃぐしゃの顔と心をスッキリさせるために直ぐにお風呂に向かった
今は誰とも関わりたくない 喋りたくない
そう思いすぐ自分の部屋にこもった
コンコン
「…」
「ご飯できたけどまだ食べない?」
「いらない。」
「そう。じゃあ食べれる時に食べて。」
お母さんはそう言ってすぐに部屋を出ていった
何かを感じ取っているのだろうか
今は食欲なんてそれどころじゃない
なんでだろう
わざわざ引き止めてくれた先生に対してあんな言い方して教室飛び出して
何がしたかったんだろう
こんな冷静に考えられるのは今だけであってもう一度あの空間、時間に連れ戻されるなら同じ行動、もしくはもっと酷い何かをしていた気がする
明日学校で謝らなきゃ
それよりあのとき私が"好き"と伝えていたらどうなってたのかな
決して期待してるような答えがかえってくるとは思っていない
ただ何か、不確かなものでもいいから私の気持ちになにか返事をして欲しい
とりあえず明日謝ろう
そこから考えよう
じゃないと何も始まらない
始まるどころか今の状況は何も変わらない
引き止めてくれた、その事実だけが嬉しくて。
ただ単に"次いつ話せるか、早く話して授業態度を直させないと。"きっとその程度のもの
頭では分かっている
けど心が追いつかない
先生が触れて私を引き止めてくれた時の力強さと私よりも大きな手、その感触、体温、今でも鮮明に覚えている
思い出すだけで体が熱くなってきそうで
恋ってこんなに苦しくて切ないモノなのかな
私の相手が先生だからかな。
色んなことを考えているうちに精神的にも体力的にもチカラが尽きたのかいつの間にか深い眠りに落ちていた