先生
第4章 冷静
人生で1番機嫌がいいんじゃないかってほど上機嫌
だって先生に会えるから
もっと言えば先生も私の事を特別に想ってくれているから
そんな幸せ気分のまま学校に向かう
靴箱に行くと少し雰囲気が違うことが察せた
でもそんな事は関係ない
そんな思いで階段を上がり自分の教室へ向かう
するといつも話しかけてこないクラスメイトが挨拶を交わしてくる
「愛香、おはよう〜」
私は挨拶を返す
いつも挨拶しない人と挨拶するのも気分が変わってなんかイイ
「愛香、ちょっとトイレきて!」
真菜が焦った様子で私をトイレへと呼ぶ
「おはよ、どしたの?」
「愛香さ、有嶋と抱き合ってたってほんと?」
「えっ…?」
「教室のドアの窓から見えて抱き合ってたって噂流れてるよ。ほんとなの?」
「…」
「私にくらい話してよ、愛香。」
「ほんと…だよ。」
「そう。私は別に愛香が誰とどうなろうと応援するけど噂になってる以上はいい気はしないと思うから一応ね。」
「ありがとう。」
「うんっ、教室いこ!」
私と先生が抱き合ってたその事実を受け止めてくれるけど深入りはしないそんな真菜の優しさに救われた
「今日7時間面倒くさいね〜」
真菜といつもと変わらない会話をしていると担任の高橋先生が私を呼ぶ
「西本さん、今噂になってること知ってる?」
「一応。」
「そう、有嶋先生もいま校長先生と話してる。今日はもう西本さんは一時帰宅っていう形になったからここに居て、私が鞄取ってきてあげるから。机の中とかまだ何も入れてない?」
「はい…」
そういうと高橋先生は私の鞄を取りに行ってくれた
「これで合ってる?」
声を出すと泣いちゃいそうで必死に頷いた
幸せってこんなにすぐ砕けて消えちゃうものなの…
頷いて隠そうとしたけどもう涙が堪えきれなかった
高橋先生は泣いている私の背中をさすってくれる
「正直私はね?私はだけどいいと思っちゃった。先生と生徒が関係を進めちゃうのは世間的にはすごく批判受けるし絶対に許されないって概念あるけど私はどうなってもいいと思う。だから別に西本さんには何も言うつもり無い。家まで車で送るから今日はゆっくり休みなね。」
それ以上何も言わずに高橋先生は私を家まで送り届けてくれた