先生
第1章 単純
今日はプリントを個人で解くという1番楽しくないパターンの授業
周りの皆も黙々と問題に取り掛かっている
窓際の席の私はチラチラとグラウンドを見ながら適当に問題をしていた
先生がみんなの机の間をグルグルと見回っているため近くに来そうになるとやっているフリをするのが荒手の技
先生が私の机の前で立ち止まる
私はやっているフリを続ける
『そろそろ集中して頑張れよ。』
小声でそう言われた
グラウンドを見ているのがバレたのか咄嗟に開いた教科書のページが違いすぎているのがバレたのか
それより先生に"頑張れよ"と言われただけで底なしのやる気が出てきた
そこから私は自分でもびっくりするほどの集中力で問題を解いた
チャイムが鳴り休憩時間に入った
「トイレずっと我慢してたからトイレ行きたい!」
親友の真菜が走ってこっちへ来た
『西本、ちょっとこっち来て』
「うわ、呼び出されてんじゃん、私先にトイレいって次の教科の準備してるから!
怒られるに賭けて待ってる。笑 」
真菜の少しお調子者な部分が見える、そこが一緒に居て楽しいところなんだけど
それより先生からの呼び出し、怒られるのだけはやだな
不安を抱えながら、呼び出されたことの嬉しさも噛み締め先生についていった