先生
第1章 単純
『なんで呼ばれたかわかる?』
「ん…」
『ん?』
「わかんないです。」
『授業の前半何してた?』
「え?プリント…」
『みんなが何してたかじゃないよ。お前自身が何してたか。』
「プリントです」
『お前ここまできて嘘つくの?笑 』
「嘘じゃない!」
私はただ単にグラウンドを見ていた事を忘れ去ってしまっていた
『グラウンド見てたのは誰ですか』
「あっ…」
少し怒っているけど私のアホさに呆れて柔らかい表情になる先生がどこの誰よりもかっこよく見えた
『いつ注意しようか迷ったけど俺が近く行く度に頑張ってます感出してっから、何回かチャンスあげたけど。あまりにグラウンド見るから注意した』
「はい」
『でもその後ちゃんとプリント集中してやってたから偉かったね』
澄んだ笑顔でそう言ってくれた
『次は最初っから後半の時みたいに出来たら完璧だな。』
「頑張ります!」
『ん。期待してっから。次の授業もさっきの集中力活かして頑張れよ』
そう言って教室に戻った