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先生

第5章 合図




家に帰りあまり深く考えないように早めに寝た



朝起きると雨の音がする


憂鬱になりそうな気分を変えようと音楽をかけながら学校の準備をした


今日社会あったっけ



社会…社会…



ある。


少しでもコミュニケーションが取れればこの上ない幸せ



あっ、でも昨日怒らせたんだった



憂鬱な気分がもっと憂鬱になる



まあでも気にしてないか、私も気にしないようにしよう


傘をさして私は学校へ向かった


あまりにも降り続く雨に制服の袖は少し濡れていた


靴箱で靴を履き替え教室へ上がろうとすると1枚の紙切れが入っていた



"空き教室"



差出人は書いていないけど私はすぐ分かった



見慣れていて私の大好きな人の字だったから


いつもより少し急ぎ目に階段を上がる


空き教室に向かうと先生がいた


窓から降り続く雨を眺めていた



ガラガラ



「先生?」



『おう、おはよ』



いつもと変わらない様子だった


「呼び出した理由なんですか?」



『昨日の授業態度良くなかったから』



少し期待しながら聞いた"理由"



そんな期待は当たり前のように散る

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