先生
第5章 合図
怒涛の一日が終わる
「数Aのプリント出席番号順に並べ替えて職員室持っていかなきゃ行けないから愛香は教室で待ってて」
そう言って真菜はプリントがある空き教室に行きプリントを並べ替えに行った
私は窓から夕日に照らされながら部活をする人達を眺めていた
なんだか心が寂しくなるような浄化されるような
勇気が貰えるような元気が奪われるような
今の私には綺麗で少し怖く見える夕日だった
コンコン
教室の鍵は閉めていないはずなのに誰かがノックする
振り返ると今一番会いたくない話したくない有嶋先生だった
『なにしてんの』
「別に。」
『んじゃ少し話せるね』
少し強引な先生に負けそうになる
「無理です、真菜待ってるだけなんで」
『それまででいいから。』
強引さに呆れて私はまた夕日を眺める
すると先生がその横に来た
『夕日って綺麗だよな』
「…」
『今朝はあんなに雨降ってたのに嘘みたいだよな〜』
「…」
夕日を眺めながら話していた先生は何も返事をしない事が気に食わなかったのかいきなり私を見つめてくる
『なんで返事してくんないの、ずっと無視するつもり?』
「…」
『プリント』
その言葉を言われて私はなぜか先生の方を向いてしまった
『授業で1番後ろの席のやつにプリント集めるように頼んだのにお前の列だけ後ろから2番目のやつが集めて持ってきたの あれなんでだろうな。』
「顔も見たくなかったし話したくなかったから。じゃない?」
先生は少し驚いている表情に見えた