先生
第6章 無心
少し騒がしくなったあの日から既に2ヶ月が過ぎていた
もう既に帰りの会が終わろうとしている
もうすぐ放課後
最近はだいぶ恋心を抱いてる自分に慣れてきていつも通りにできるようになった
未だに慣れないのはプリントや配布物を個々に返される時
ただ名前を呼ばれて物を受け取るだけなのに一度抱き寄せられて頭を優しく撫でてくれたことがある
その事実と重ねてしまい妙にドキドキが止まらなくなる
なーんて。もうそれは遠い昔の話なのに。
恋人でもないのに勝手に不安になる自分が嫌
まだ私の事想ってくれてるかな
もう違う素敵な人に出会ったのかな
他の生徒に目移りしたかな
少なくとも私の気持ちは変わってないよ
それだけ伝えたくなる衝動がたまに来る
やっと落ち着いて慣れてきたのにそんな事したらまた舞い上がってなにをするか自分でも分からない
だから必死に平常心に戻そうとする
でもそれは逆効果で
帰りの会が終わって既に私は先生のいるところへと向かう
職員室に向かおうとするとたまたま出てきた先生
『どうした?そんな急いで』
「少し話す時間ありますか?」
『ちょっと待ってね、やんなきゃいけないことあるからそれ終わったら話せるから教室で待ってて』
私のために時間を確保してくれたことさえも心を弾ませる