先生
第2章 抑制
衝動でキスをしようとしていた
本当はそんなつもりじゃなかった
ただ先生を見ていると胸がギュッてなってなんかすごく苦しくて
すぐ近くに居るのにどこか遠くに感じる先生が欲しくなってしまって
「西本さん、大丈夫だった?」
『はい…』
「今からはステージに座って見学してていいからね。」
既にもう体力もなくなり思考回路もおかしくなっている
なんであんなことしたんだろう。きっと次会う時すごく気まづい。
自分の欲を抑えることが出来なかったあの瞬間
抑えてくれなきゃ止められなかったからすごく安心している自分もいる
でも先生に拒否されたように感じてしまって心が傷む方が強い
どういう意図で何を考えて私の事を抑えたんだろう
好きになったらだめ。だとか ただお前のこと好きじゃないからだめ。だとか理由は多分ありきたりで曖昧なものだろう。
学校だからだめ。という理由ならほんの少し、本当に少しだけでも可能性が感じられる
でもそんな甘い恋愛映画のようなものではない
そんな事は私でもわかる
また目から雫が零れそうになる
もう、切り替えなきゃ。
ちょうど体育の授業は終わった
真菜と一緒に教室へ帰ろうと体育館のドアを開けようとした瞬間勝手にドアが開いた
「おっ、西本。」
『…!』
ドアを開けたのは有嶋先生だった