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好きだって気づいたとき

第13章 修学旅行

ゲーム開始。
キャンプの時のように負けたくない。
かと言って勝ちたくもない。
負けたらチューして勝ったらチューされるなんても〜・・・
意味わかんねぇよ。
ただのトランプだよ。
ただのトランプのババ抜きだよ。
遊びのババ抜きなのに、なぜにこんなにも緊張しなくちゃいけないんだよ。
ゲームが進むにつれて、俺の顔は強ばっていく。
そして遼太は・・・

やっぱ顔怖いよ。


「やった1抜け」


と喜ぶ松田。


「あっ、俺誰かにチューされなきゃいけないんだよな。
うわぁ、最悪だよ」


喜んだのはいいけど、めっちゃどん底に叩きつけられたって感じ。
俺はなんとか順調にトランプが揃っていった。
このまま行けば罰ゲームはま逃れる。


「よっしゃ、あがりっ!」


と勢いよく声を上げたのは遼太だった。
さぞかし嬉しそうな顔をしていると思いきや、顔をチラッと見てみたら、何だか表情がこわばっていた。


「揃った!」

「俺もあがりっ!」


みんなどんどんあがっていく。
ヤバイ・・・これはヤバイ。
あんなにも順調に揃っていってたのに、揃わなくなってきたぞ。


「・・・あっ」


揃わないうえにババかおいでなすった。
残り2人。
頼むからババを引いてくれ。


「・・・!!
よっしゃあがったぞ~。チュー回避!」

「罰ゲーム、友哉に決定!」


俺はその場でうつ伏せた。
去年のキャンプに続いて俺、罰ゲーム。
思わず叫んだよ。


「なんでだよ!」

「さぁ、罰ゲームの甲斐田と1位あがりの松田、立って」


渋々立ち上がる俺と松田。


「それでは、チューしてください!」


クソっ・・・もうやけだ。
上等だよ、やってやろうじゃねぇか。


「ちょっ、ちょっと待った!」

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