テキストサイズ

好きだって気づいたとき

第13章 修学旅行

次の日、1日中テーマパークでグループ毎で自由行動。
野生児の俺達はショーを見たりするよりは、乗ったり遊んだりを選ぶ。


「お〜い、女子のグループが一緒に回ろって言うから、行こうぜ」

「おっ、いいね」

「男ばっかで乗り物乗っても、絵面がきもいっていうか色気ないしさ」

「よしっ、行こう行こう」


ノリノリなほかのメンバー。
俺はどうでもよって感じ。
このメンバーで気を使わずワイワイしたいと思ってたんだけどな。
みんな盛り上がってるのに反対できないしね。


「お待たせ」

「何に乗る?」


俺は一瞬ドキッとした。
その女子のグループには友梨耶がいたからだ。
俺と目が合いニコッとした。
慌てて目をそらした。
何かわかんないけどドキドキしている。
よりによって何でこいつのいるグループなんだよ。


「小学校卒業以来だね」

「そうだな」

「私と別れてから彼女つくった?」

「別に、つくってない」

「じゃあ今フリーなんだ」


1番後ろに乗った俺達。
俺の膝の上にそっと手を置いた。


「ねぇ、よかったら寄り戻さない?」


膝の上に置かれた手が内側に滑り込んでいく。


「やめろよ。
それにお前、彼氏いるんだろ?」


その手を払い除けた。


「少し前に別れて、今はフリーだよ」

「今はそういう気になれないんだ」

「好きな子でもいるの?」

「いっ、いないよ。
いる・・・いるわけなっ・・・ないじゃん」

「何動揺してるの?」

「動揺なんかしてないよ。
とにかく今はそういう気になれないだけだから」


何だか気分が悪い。


「俺、何か気分が悪いから、あそこのベンチに座って待ってるよ。
荷物よかったら置いといていいよ」


さっきまで楽しかったのに・・・

ストーリーメニュー

TOPTOPへ