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好きだって気づいたとき

第1章 色濃い2ヶ月

「ゴホッゴホッ・・・もしもし知哉?」

「もしもし遼太か?寝てないと駄目だろ?」

「うん、大丈夫。
お前に言っておきたいことがあって」

「急ぎなのか?
3日くらいしたら落ち着くだろうから、ノートを持っていくよ。その時じゃ駄目なのか?」

「それだよそれ。
たぶんお前はノートか何かを持って行くって言うと思って、始めから来るなって言っておこうと思って」

「何でだよ。何で行っちゃ駄目なんだよ?」

「インフルエンザがうつるといけないだろ?」

「1回なったからうつらねぇよ。
お前だって駄目だって言ったのに、俺の部屋に入ってきたじゃねぇか」

「駄目だったら駄目なの。
もしもまたお前がインフルエンザにでもなったらまた1週間会えないし、遊べないだろ?
俺、お前に・・・ゲホッゲホッ・・・」

「わかったわかった・・・
わかった行かないから、もう早く寝ろよ」

「ゲホッゲホッ・・・うん。
知哉、治ったらまた遊ぼうぜ」

「うん、遊ぼう。早く治せよ。
じゃあな」


わざわざ電話してくることないのに。
朝の電話で何でインフルエンザになったって言ってくれなかったのかな。
俺がうつしたかもって、気にするかとでも思ったのかな。
どちらにしても先生に聞かされるからバレるって。
それはそれで遼太なりの優しさなんだろうな。


「友達多いのわかる気がする」


1週間後、遼太が朝俺を迎えに来た。


「知哉、行っくぞ」


何か嬉しくて、また靴のかかとを踏みながら外へ出ていった。


「おはよう、遼太」

「おっはー!
知哉、学校終わったら遊ぼうぜ」

「バカッ!
治ったばかりで何言ってるんだよ。
今日は大人しくしてろよ」

「え~・・・
じゃあ、知哉ん家行って駄目?」

「う~ん・・・いいよ。
俺ん家で大人しくし遊ぶか」

「やったー!」


放課後、俺ん家で大人しくゲームで遊んだ。

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