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好きだって気づいたとき

第16章 高校入学

ピザを食べていると引退した部活の先輩、同級生、後輩からLINEが届きまくる。
この夏休み、しばらく部活を休むとしか言っていない。
たぶん顧問の先生から聞いたんだろうね。


『先輩、学校辞めちゃうんですか?』

『甲斐田、引っ越すんだって?』

『友哉、引っ越すって本当か?』


などなど。
ちゃんと話せばよかったのかもな。
俺も急な事だったし、頭の中が整理できてなかったからな。
申し訳ない事したな。


「何、めっちゃLINEきてんじゃん」

「部活のみんなにも話してなかったからな。
たぶん顧問の先生に聞いたんだろうね。
一気にみんなからLINEがきたよ」


なかなか会話もできず、スマホにかかりっきりになる俺にちょっと不満そうな遼太。


「まだまだ返信終わらなそうだな」

「う〜ん・・・よしっ、これで終わりかな?
あぁあ、ピザ冷めちゃったよ」

「そりゃそんなにもLINEしてたら冷めちゃうよ」

「やっぱちゃんとみんなに伝えなくちゃいけなかったな」


LINEを始めてから、こんなにも一気に返信したことなんてなかった。
ピザを1口食べるとまたLINEが届く。
どんどん冷めていくし、なかなか食べられない。


「1回LINEしただけで、そんなにも返信来るか?」

「送ったやつから聞いたって、新たにLINE来るし・・・」

「お前、人気者だな」

「何だよ、その言い方・・・
お前ほど人気はないよ」


俺だって、こんなにも続々とLINEが来るとは思ってもなかったよ。


「喋るわけじゃないから、食べながらLINEしたら?」

「・・・あっ、そうだな」


不器用な俺。

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