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好きだって気づいたとき

第16章 高校入学

「お前さ、入部してすぐ先輩たちにめちゃくちゃ好かれたよな。
好かれたと言うよりか、めちゃくちゃモテたよな」

「そんな事ないよ。
ただ自分で言うのも変だけど、和太鼓が好きになって真面目に部活やってただけだよ。
それが先輩たちにウケたのかもな」

「男の部員が少ないとははいえ他にも男いたのに、お前1人モテまくってたじゃん」

「ん〜、まぁ先輩にいろいろもらったり、後輩ができてからは後輩からも、俺達の演奏聞いたやつにも何かもらったな」

「モテすぎだろ。
お前もしかして自覚ゼロなのか?」

「自覚っていうか、何かしら部活入ってるとそれがカッコよく見えたりするだけじゃないのか?」

「あ〜、お前本当自覚ゼロだな。
確か告られたこともあったんだよな」

「うん、あったよ。
先輩、同級生、後輩・・・」

「ハイハイ、わかったよ」

「何だよその言い方。
お前が聞いてきたんだろ」

「で、最近はどうなんだ?
告られたりとかしてないのか?」

「・・・!?」


俺は昼間の雅人の告白を思い出した。
急に遼太の顔が見られなくなった。
何かよく分からないけど申し訳ない気持ちが込み上げてきた。


「どうした友哉。
・・・あっ、もしかしてまた誰かに告られたのか?
誰、誰だよ」

「うるさいな、誰でもいいだろ」

「えっ、茶化したつもりだったんだけど、マジで告られたの?」


ちょっと不機嫌になった遼太。
ポテトをくわえて下を向いた。


「で、告られて友哉どうしたの?
なんて返事したの?」


「いや・・・別に何も答えてない」

「あっそう・・・なんだ・・・」


気のせいか、ちょっと穏やかな表情。
雅人の告白に、答えられるわけないよね。

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