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好きだって気づいたとき

第16章 高校入学

「おじゃまします」


先輩のうちの人はお仕事で留守にしていた。


「適当にくつろいで」

「ありがとうございます」


制服を脱いで私服に着替える先輩。
部屋の片隅に太鼓のバチが入っているケースを見つけた。


「先輩、めちゃくちゃバチ持ってるんですね。
これ全部使うんですか?」

「何かやっていくうちにこだわってっちゃって、重いのがいい軽いのがいい、太さや感触とかね。
プロになるってわけじゃないんだけどね」

「へぇ〜・・・
やっていくと俺もそうなっていくんですかね」

「まぁそれは人それぞれだと思うけどね。
友哉まだバチは買ってないんだろ?」

「はい、何がいいかわからないんで」

「と思って、友哉にバチをあげようと思って呼んだんだよ。
その中で自分の気に入ったのがあったらあげるよ」

「えっ、いいんですか?」

「新人の中でお前、一番頑張ってるし、俺が言うのも変だけど、お前スジいいしな」

「ありがとうございます。
じゃあどれにしよっかなぁ・・・?」


言葉に甘えてバチを選んでいると、そっと後ろに先輩が立ち両手を肩に置かれた。
その手が肩から俺の両腕におりていき、バチを選ぶ俺の手を握った。


「先・・・輩?」

「動くな・・・そのまま選んでろ」


選んでろと言われても、こんな状況で選べられない。
そのうち先輩の唇が俺の頭から耳元、そして首筋に移動していく。


「うん・・・先輩、何してるんですか?」


右手で俺の胸を触りだした。


「せっ、先輩?」

「友哉はどこが気持ちいい?」

「先輩、何言ってるんですか?
やめて下さい」


俺より背の高い先輩との腕にすっぽりと収まってしまっている俺。




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